赤ちゃんがママのお腹ですくすく育っている真っ最中の妊娠31週目。妊娠8ヶ月目の最終週であり、出産予定日の40週まではまだ2ヶ月以上もある時期です。
もし、正期産と言われる妊娠37週よりもかなり早いこの時期に出産となってしまったらどんなリスクがあるのでしょう!?
実は筆者自身、31週で早産を経験しました。その経験を踏まえて、31週での早産で可能性があるリスクや生まれてからの成長。そして筆者自身の体験談や8歳になる我が子の成長の状況など、詳しく紹介していきます。
妊娠31週目頃の赤ちゃんはどんな感じ?
妊娠31週目頃の赤ちゃんは、体長42〜43cm程、重さは1300〜1900gと正期産で生まれてくる赤ちゃんと比べるともちろん小さいですが、生きていく上で大事な臓器はほぼ成長を終えています。
見た目も普通の赤ちゃんとそれほど変わりはありません。
・免疫機能が発達してくる
・体温の調節機能が発達してくる
・瞬きができるようになる
・おっぱいを吸う練習を始める、指しゃぶりの動作が見られる
・脳のしわができ初め、感覚や知能が発達する
・肺機能の発達が始まる
・表情が豊かになってくる
といった特徴が見られるようになってくるので、赤ちゃんらしくなってくる時期であると言えますね。
妊娠31週での早産におけるリスクや問題点
さきほど「生きていく上で大切な臓器はほぼ成長を終えている」と書きましたが、全く問題が無いというわけではありません。
妊娠31週で生まれた場合の生存率は97%と非常に高くなります。命の危険性と言った意味ではあまり心配はないでしょう。
ただし、後遺症などリスクの面ではまだまだ油断できない時期ではあるのです。
リスク1、肺機能が未完成
胎児の身体で一番最後に完成するのが肺であり、その完成は妊娠34~35週頃だと言われています。つまり、妊娠31週時点では赤ちゃんの肺は機能がまだ未成熟な状態なのです。
妊娠31週での早産の場合、赤ちゃんは自力で呼吸ができないので呼吸器が必要です。
また、肺がうまく酸素を取り込めず多呼吸などの症状が見られる呼吸窮迫(きょうはく)症候群や、慢性的な肺疾患などの後遺症が残ってしまう可能性もあります。
更には、呼吸がうまくできないことで脳に酸素が回らず、脳に障害が残ってしまう可能性も否定できません。
妊娠31週での早産における一番の問題点が、この肺機能に関することだと言えるでしょう。
肺機能の成熟を促す治療がある
切迫早産の症状が見られ、妊娠34週以前に出産になりそうだと予想されるような場合は胎児の肺機能を促すために副腎皮質ステロイドの投与を行われることがあります。
母体に副腎皮質ステロイドの注射をすることによりその成分が胎児に移行し、肺の成熟が高められるので出生後の呼吸障害が軽減することができるのです。
リスク2、未熟児網膜症
赤ちゃんの網膜の血管は妊娠36週頃に完成します。
ですから妊娠35週以前に生まれてしまった場合は網膜の血管が途中までしかできておらず、その後の成長が異常な状態になってしまうことがあるのです。
これが「未熟児網膜症」という病気です。
ひどい場合は失明に至るし、治癒したとしても高い確率で近視・斜視・弱視などの視力障害が残るとされているのです。
未熟児網膜症は妊娠34週未満の早産児に起こりやすいと言われていますが、妊娠28週未満での出産の場合はほぼ100%発症してしまうのだとか。
逆に言えば妊娠28週を過ぎれば発症リスクは徐々に下がっていきますが、妊娠31週では発症してしまう可能性も低くはありません。
超低出生体重児の場合は要注意!
基本的には体重よりも在胎週数(何週までお腹で育てることができたか)が重要だと言われていますが、それでも体重も軽視できないポイントです。
一般的に2500g未満で生まれてきた赤ちゃんを「低出生体重児」と呼びますが、その中でも出生体重が1,500g未満だと「極低出生体重児」、1,000g未満だと「超低出生体重児」と呼んで区別しています。
出生体重が1,500~1,000gの場合は95%である生存率も、1000g未満になると90%とわずかながら減少してしまいます。
また、先に説明した「未熟児網膜症」の発症率も、出生体重が1,500g未満だと約60%と結構な高さとなってしまいます。
妊娠31週で生まれた赤ちゃんのその後の成長はどうなる?
それでは、妊娠31週で生まれてきた赤ちゃんの治療や経過、成長はどのような感じになるのでしょうか?
NICUに入院し経過観察
生きていくために必要な身体の機能はほぼ完成しているとはいえ、妊娠31週の赤ちゃんはまだまだ外の世界では生きていけません。
ですから基本的にはNICU(新生児特定集中治療室)に入院し、保育器の中で一人ずつ大切に育てられることとなるのです。
ミルクを口から飲むことがまだできないのでチューブを通しての経管栄養、鼻には人工呼吸器、場合によっては点滴など様々な処置が施されているので不安に感じるかもしれませんが、特に問題がなければこれらもすぐに外れさていき、徐々に普通の赤ちゃんと同じ生活ができるようになっていきます。
ただし、妊娠31週頃は赤ちゃんに個人差が出てくる時期であり、まったく同じ在胎週数だったとしても体重や身体面での大きな差があることも珍しくありません。
赤ちゃんの成長具合により、生後の処置にも差が出てくることはもちろんあります。
後遺症が残る可能性は?
赤ちゃんが無事生まれてきて、命に別状がないと分かったら次に気になるのが後遺症の有無ではないでしょうか?
「後遺症」というだけあって生まれた時点ではハッキリとしたことはわかりませんが、一般的に在胎週数32週を超えれば後遺症の心配はほとんどないとされています。
ということは、妊娠32週にほど近い妊娠31週の場合、後遺症の心配はあるものの確率はそれほど高くありません。
実際、後遺症が残る可能性が高いのは妊娠29週くらいまでの早産であり、30週を過ぎればその確率はグッと下がるのです。
もちろんなんらかの後遺症が残る可能性もゼロではありませんが、正期産の赤ちゃんでも病気になることはありますし、それほど過剰に心配する必要はないでしょう。
31週で赤ちゃんを生んだ私の体験談
最後に、実際に妊娠31週での早産となった私自信の体験談をお話します。
妊娠27週で切迫早産により入院、ウテメリンの点滴を24時間行っていたけれどお腹の張りがどんどん酷くなっていき、31週4日で出産となりました。
出生体重は1768gあったので、この週数では十分に育っていたと言えるでしょう。
また、早産が予想されていたので副腎皮質ステロイドの投与をされていたおかげか肺機能にも問題はなく、人工呼吸器もすぐに外してもらうことができました。
経過も良好で2ヶ月半(予定日の半月くらい後)ほどで退院することができたしその後も特に問題はありませんでした。
現在は8歳になり、知能面・身体面とも問題なく普通に育っています。背は小さいですが、これは遺伝的な問題だと思います(笑)
また、若干風邪をひきやすいかなとは感じていますが、これも早産の影響なのかはわからないし、特に問題視するほど身体が弱いというわけでもないので気にしていません。
早産で赤ちゃんを産んでしまったママは、自分を責めたり不安な気持ちになったりしてしまう方も多いことでしょう。
でも、現在の医学は発達していますし、31週での出産であれば問題なく成長できる可能性が高いです。
赤ちゃんの育つ力を信じて、前向きな気持ちで成長を見守ってあげてくださいね!
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